慢性腎臓病の治療薬について

降圧薬による血圧の管理が重要

慢性腎臓病の治療にはさまざまな薬が使われますが、原因となっている高血圧を改善するために「降圧薬」という薬を使っていきます。

 

慢性腎臓病の患者に降圧薬を使う目的は、慢性腎臓病の進行を遅らせて、末期腎不全になるのを防ぐことです。また、慢性腎臓病の進行が抑制されることによって、心血管疾患の発症も防ぐことになります。

 

慢性腎臓病における降圧の目安は、130/80mmHg未満となります。たんぱく尿が多い患者は、少し低い125/75mmHg未満となります。

 

根本的な治療のためには、食事療法や生活習慣の改善と並行して、このような血圧管理が必要になります。

 

ACE阻害薬とARB

 

降圧薬の他には、ACE阻害薬とARBが使用されます。

 

ACE阻害薬は、血圧を高める作用のある物質「アンジオテンシンU」がつくられるのを防ぐことで血圧を下げる薬です。

 

腎障害がある高血圧以外にも、心筋梗塞や脳血管障害のための降圧薬として使われています。

 

一方のARBは、腎臓の保護作用がある薬で、アンジオテンシンU受容体拮抗薬とも呼ばれています。

 

しかし、それでも降圧ができない場合には、利尿薬やカルシウム拮抗薬による治療が試みられます。

 

 
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慢性腎臓病の薬関連エントリー

慢性腎臓病(CKD)の定義と診断基準
これまでは、慢性に進行する腎臓の疾患は種類が多いためわかりにくいとされてきました。そこで生まれたのが、腎臓病をステージ別に治療するための「慢性腎臓病」という定義です。慢性腎臓病の患者はこれからも増えると予想されます。
慢性腎臓病のステージ(病期)分類
慢性腎臓病のステージ分類は、腎機能の評価指標である糸球体濾過量(GFR)によって定められています。
慢性腎臓病の症状と経過
慢性腎臓病は、自覚症状に乏しい病気です。進行した症状には、めまい、だるさ、貧血、むくみ、頭痛などがあります。さらに病状が進行すると、最後には末期腎不全に至ります。
慢性腎臓病の検査
慢性腎臓病の早期発見はなかなかむずかしいですが、定期的に尿検査と血液検査を受けることで見つかりやすくなります。最低でも年に1回、リスクがある人は年に2回検査を受けておくと安心です。
慢性腎臓病の治療の2大目標
慢性腎臓病の治療は、末期腎不全と心血管疾患の発症を防いで、進行を抑えることを目的として行われています。具体的な治療には、食事指導や高血圧指導、生活習慣の改善があります。
慢性腎臓病の生活と食事
肥満、喫煙、ストレスなどの生活習慣は、慢性腎臓病の発症に大きく関係しています。とくに食事に関しては、塩分やたんぱく質の制限が必要になります。