慢性腎臓病の自覚症状/末期腎不全に至るまで

自覚症状が乏しいことが特徴

慢性腎臓病の症状については気になるところですが、残念ながら自覚症状があまり現れないのが特徴です。慢性腎臓病のステージ1や2でも自覚症状はほとんどありません。そのため、病気の発見が遅れがちになってしまいます。発見できた頃には腎機能の低下が進行していることが多いです。

 

会社の健康診断などで偶然に腎機能障害が見つかって気づくパターンがよくあります。急に体調が悪くなって、病院で血液検査をしてもらったら、腎臓病が進行していたケースもあります。いずれの場合も、検査を受けたらたまたま発見できたというものです。

 

初期の段階で発見するためには、尿検査を受けてたんぱく尿などの尿の異常を見つけるのがいちばんです。とくに、慢性腎臓病のリスク要因となっている高血圧、糖尿病、喫煙者などの方は、定期的に尿検査を受けることが大切です。

 

慢性腎臓病が進行すると、頭痛、倦怠感(だるさ)、浮腫(むくみ)、貧血、めまい、食欲不振などの症状があらわれます。腎機能が低下してくると、高カリウム血症やカルシウム・リン代謝異常なども起こります。

 

最終的には末期腎不全に至る

 

慢性腎臓病のステージが進行すると、じょじょに腎機能が低下していき、最後には末期腎不全に至ります。

 

腎不全となった場合は根本的な治療はなく、人工透析か腎移植しか方法は残されていません。そのため、末期腎不全にならないように治療して食い止めなければなりません。

 

また、慢性腎臓病が進行すると、心筋梗塞などの心血管疾患で死亡する患者も多くいます。人工透析を受けている患者のみならず、その前段階の患者にも死亡者が多いことがわかっています。

 

 
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慢性腎臓病の症状と経過関連エントリー

慢性腎臓病(CKD)の定義と診断基準
これまでは、慢性に進行する腎臓の疾患は種類が多いためわかりにくいとされてきました。そこで生まれたのが、腎臓病をステージ別に治療するための「慢性腎臓病」という定義です。慢性腎臓病の患者はこれからも増えると予想されます。
慢性腎臓病のステージ(病期)分類
慢性腎臓病のステージ分類は、腎機能の評価指標である糸球体濾過量(GFR)によって定められています。
慢性腎臓病の検査
慢性腎臓病の早期発見はなかなかむずかしいですが、定期的に尿検査と血液検査を受けることで見つかりやすくなります。最低でも年に1回、リスクがある人は年に2回検査を受けておくと安心です。
慢性腎臓病の治療の2大目標
慢性腎臓病の治療は、末期腎不全と心血管疾患の発症を防いで、進行を抑えることを目的として行われています。具体的な治療には、食事指導や高血圧指導、生活習慣の改善があります。
慢性腎臓病の生活と食事
肥満、喫煙、ストレスなどの生活習慣は、慢性腎臓病の発症に大きく関係しています。とくに食事に関しては、塩分やたんぱく質の制限が必要になります。
慢性腎臓病の薬
慢性腎臓病の治療に使う薬について解説しています。多くの場合、病気の原因となっている高血圧を改善するために降圧薬が使用されます。