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クリッピング手術はもっとも確実で、信頼性の高い手術法

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クリッピング手術は、頭蓋を開く開頭手術で、くも膜下出血の治療としてもっともよくおこなわれている方法です。

 

一度出血を起こした動脈瘤に血液が流れ込んでいると、出血の危険性は下がりません。そこで、クリップと呼ばれる特殊な器具を使って、コブの根元をはさんで、コブの中に血液が入らないようにしていきます。

 

クリップにもさまざまな形や大きさがあり、コブの状態に合わせて使われますが、チタン製のものが安定しており、よく使われています。金属ですが、金属に反応しやすいMRI検査でも、問題なく受けることができます。

 

クリッピング手術は安全性が高く、ほかに合併症がなければ、術後に後遺症も残ることはほとんどありません。ただし、全身麻酔を行っていますから、術後の数日間はベッドで安静にしている必要があります。また、手術中に細菌による感染の可能性がある場合は、抗生物質を投与することもあります。

 

クリッピング手術をおこなう目安

 

クリッピング手術は、動脈瘤の状態や患者さんの健康状態を検討したうえでおこなわれます。

 

動脈瘤の状態
  • 形と大きさ

複数のクリップを使うことで、ほとんどの動脈瘤に対応できます。ただし、コブが大きすぎたり、出血が確認されている場合は、他の方法を併用することもあります。

 

  • 場所

手術は頭蓋を開いておこなうため、コブが脳の奥のほうにあるほど難しくなります。クリップだけでは困難なときは、他の方法も検討されます。

 

患者さんの健康
  • 年齢・体力・持病の確認

手術は、全身麻酔をおこなっていくので、心臓に病気があったり、生活習慣病などの持病がある患者さんには難しい場合もあります。また、70歳以上の高齢になると、体力的に不安な面もあるので慎重に検討されます。

 

なお、手術後には、頭の中に残ったクリップの影響を心配する人もいますが、とくに注意すべき点はありません。クリップはきわめて安定した素材でできています。日常生活の制限も必要ありません。

 

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