腎臓病の早期発見には検尿と血圧測定

腎臓病を早期に発見するには

腎臓病は、初期の頃には自覚症状が出ないため、早期に発見するには検査が欠かせません。気になる人は、年に1〜2回ほどの定期検診を受けるようにしましょう。

 

早期発見のために用いられる簡単な検査は「スクリーニング検査」と呼ばれます。腎臓の検査では、尿検査血圧測定が基本となっています。

 

これらの検査で異常が見つかった場合は、さらにくわしい精密検査を行うことになります。

 

検尿

 

検尿では、尿にたんぱくや糖、血液が混じっていないかを調べていきます。尿たんぱくの検査紙は薬局でも販売されています。尿を検査紙にひたして色を調べることで、尿の中にたんぱくがあるかどうか(陰性か陽性か)を判定することができます。

 

尿たんぱくの検査は家庭でも簡単に行うことができます。家族や親せきに、腎臓病にかかっている人がいる場合は、検尿で早期発見につなげることができます。

 

また、検尿で調べる以外にも、尿の色の変化、尿の回数、1日の尿の量などを記録しておくと役に立ちます。

 

血圧

 

尿検査の次によく行われる検査が、血圧測定です。日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2009」では、成人の至適血圧(標的器官である脳・心・腎などの臓器障害をおこさないために正常値よりもより理想的な血圧値)が定められているので参考にするとよいでしょう。

 

高血圧かそれに近い数値になっている場合は、腎臓病以外にも脳出血、脳梗塞、心不全などの病気になるリスクがあります。自分の血圧には注意を払っておきましょう。

 

【血圧分類】

至適血圧 収縮期血圧値:120mmHg未満
拡張期血圧値:80mmHg未満
正常血圧 収縮期血圧値:130mmHg未満
拡張期血圧値:85mmHg未満
高血圧 収縮期血圧値:140mmHg以上
拡張期血圧値:90mmHg以上

 

なお、血圧は1日の生活の中で絶えず変動しています。午前と午後でも血圧は異なります。血圧を測る際にはしばらく安静にして、1日に数回測ってみましょう。

 

血圧の測定は、市販されている電子血圧計を使うと家庭でも簡単に行うことができます。

 

 
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腎臓の働きとは
腎臓は、体の中にある老廃物を尿として排泄し、血液中の水分や体液のバランスを整える重要な働きをしています。腎臓の機能が弱ってくると、さまざまな腎臓病になってしまいます。
腎臓病とはどのような病気なのか
腎臓病という言葉は知っていても、実際にどんな病気なのか知らない人は多くいます。生活習慣病のひとつであることを自覚しましょう。
腎臓病の自覚症状
腎臓病の自覚症状として、尿の色の変化、体のむくみ、高血圧などの症状を紹介しています。気づきにくい症状もあるので注意しましょう。
腎臓病の予防のためにできること
腎臓病は生活習慣病のひとつなので、高血圧にならないように適度な運動をして、肥満を予防することが大切です・。お酒やタバコも控えめにしましょう。
血圧を家庭で測って腎臓病を予防しよう
高血圧は腎機能を悪化させる大きな原因となっています。血圧を正確に測るためには、医療機関よりも家庭でリラックスしているときに行うのがおすすめです。
尿毒症の症状と治療法
腎不全が進行して腎機能が低下すると、尿毒症になるおそれがあります。人工透析の普及で生存率は高まりましたが、さまざまな症状をまねくため危険な状態となります。
尿の異常は腎臓病のサインかも
腎臓のはたらきなどが障害されると、尿に影響が出てきます。腎臓の危険なサインの第一は尿の異常に現れます。いつもと違う尿が出たら、放置してはいけません。
病気のサインが現れたら腎臓内科や泌尿器科を受診する
尿の色や臭い、泡立ちなどの異常に気付いたときには、腎臓内科などで腎臓病の検査を受けるようにしましょう。かかりつけ医に相談する方法もあります。
膀胱炎を起こすと腎臓病になるの?
気になる膀胱炎と腎臓病の関係について解説しています。とくに女性の場合、男性に比べて尿道が短いため、膀胱炎を起こしやすくなることに注意しなければなりません。