膀胱炎と腎臓病の関係

膀胱には細菌が繁殖しやすい

女性に多い膀胱炎

 

「膀胱炎を繰り返していると腎臓病になるのか?」という疑問をもっている方がいますが、それは本当なのでしょうか。

 

実のところ、膀胱と腎臓は、尿管によってつながっていてもそれぞれ離れているので、膀胱炎を起こしたからといって、必ずしも腎臓病になるとはいえません。

 

そもそも膀胱炎とは、尿をためる臓器である膀胱の中で細菌が繁殖して、粘膜が炎症を起こす病気です。膀胱炎になると、頻尿、残尿感、排尿後の痛み、尿に血が混じる、などの症状がみられます。

 

本来、膀胱は無菌できれいな臓器なのですが、尿道の開口部が肛門の近くにあるため、大腸菌などの細菌に感染しやすくなってしまいます。とくに女性の場合、男性に比べて尿道が短いので、膀胱炎を起こしやすくなります。

 

膀胱炎の治療については、抗生物質などで炎症の原因となっている細菌を排除すれば治すことができます。

 

しかし、適切な治療をしないで放置していたり、症状が長引いて膀胱炎を繰り返していると、膀胱内で繁殖した細菌が尿管をつたわって腎臓の腎盂に達します。

 

その結果、腎盂腎炎を引き起こし、悪寒、ふるえ、発熱、吐き気、嘔吐などの症状があらわれます。
さらに腎臓の内部に侵入すると、腎臓全体に炎症をもたらすことがあります。

 

慢性腎盂腎炎からやがて腎不全へ

 

腎盂腎炎には、急性と慢性があります。急性腎盂腎炎の治療は、感染した細菌に対応した抗生物質を投与することで、発熱や痛みが和らぎます。さらに安静にし、水分を補給することも大切です。

 

しかし、治療を怠ったり、気づくのが遅れると、慢性化させてやっかいなことになります。

 

慢性腎盂腎炎になると、食欲不振、嘔吐、高血圧などの症状が出てきます。また、自覚症状がない場合もあり、病気を判別するのが難しいケースもあります。

 

慢性腎盂腎炎は、何十年という長期間にかけて腎臓の機能を衰えさせます。やがては腎不全に陥ることがあり、こうなると人工透析を導入するしかありません。

 

したがって、病気が進行する前に早期に治療をして治しておくことがきわめて重要となります。

 

 
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腎臓の働きとは
腎臓は、体の中にある老廃物を尿として排泄し、血液中の水分や体液のバランスを整える重要な働きをしています。腎臓の機能が弱ってくると、さまざまな腎臓病になってしまいます。
腎臓病とはどのような病気なのか
腎臓病という言葉は知っていても、実際にどんな病気なのか知らない人は多くいます。生活習慣病のひとつであることを自覚しましょう。
腎臓病の自覚症状
腎臓病の自覚症状として、尿の色の変化、体のむくみ、高血圧などの症状を紹介しています。気づきにくい症状もあるので注意しましょう。
腎臓病の早期発見には検尿と血圧測定
腎臓病を早期に発見するためには、定期的に検査して異常をいち早く見つけることが大切です。腎臓病の検査には、尿検査と血圧測定があります。
腎臓病の予防のためにできること
腎臓病は生活習慣病のひとつなので、高血圧にならないように適度な運動をして、肥満を予防することが大切です・。お酒やタバコも控えめにしましょう。
血圧を家庭で測って腎臓病を予防しよう
高血圧は腎機能を悪化させる大きな原因となっています。血圧を正確に測るためには、医療機関よりも家庭でリラックスしているときに行うのがおすすめです。
尿毒症の症状と治療法
腎不全が進行して腎機能が低下すると、尿毒症になるおそれがあります。人工透析の普及で生存率は高まりましたが、さまざまな症状をまねくため危険な状態となります。
尿の異常は腎臓病のサインかも
腎臓のはたらきなどが障害されると、尿に影響が出てきます。腎臓の危険なサインの第一は尿の異常に現れます。いつもと違う尿が出たら、放置してはいけません。
病気のサインが現れたら腎臓内科や泌尿器科を受診する
尿の色や臭い、泡立ちなどの異常に気付いたときには、腎臓内科などで腎臓病の検査を受けるようにしましょう。かかりつけ医に相談する方法もあります。