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脳出血の薬物療法

3種類の薬を主に使う

 

脳出血の薬物療法は、手術が向かない部位に出血が起こった場合や、症状の程度が軽い場合におこなわれています。患者さんの状態に合わせてさまざまな薬を使っていきますが、基本的には3種類の薬を使用していきます。

 

 

  • 止血薬

血液を固める働きのある薬を使って、出血を止めていきます。

 

  • 降圧薬

血圧が高い場合や、高血圧性脳出血の場合には、血圧を下げる薬である降圧薬も併用していきます。血圧が高いと、出血しやすくなるためです。血圧を下げる目安は、以下の通りです。血圧が高い状態が20分以上続く場合には、すぐに血圧を下げなければなりません。

 

・収縮期血圧・・・180mmHgより高い
・拡張期血圧・・・105mmHgより高い
・平均血圧・・・130mmHgより高い

 

  • 抗脳浮腫薬

抗脳浮腫薬とは、脳のむくみをとるための薬です。脳が水分を含んで頭蓋骨の中でむくむと、さらに状態が悪くなってしまいます。脳組織から水分を引き出す「濃グリセリン液」という薬を点滴してむくみをとっていきます。

 

 

補助的に使う薬

 

脳出血に伴って起こりやすい症状がいくつかあることが分かっています。とくに、消化管出血けいれんが多くの患者さんでみられます。

 

このようなときの対処として、抗潰瘍薬や抗てんかん薬などの補助的な薬を使っていきます。

 

薬の副作用はあるのか?

 

止血薬、抗脳浮腫薬には気になるような副作用はありません。ただ、降圧薬では、種類のよって脈が遅くなる症状が出る場合があります。また、血管を拡張させることで、出血部位から再出血が起こる可能性もあります。

 

副作用については心配するところではありますが、短期間だけ使用するものなので、それほど気にする必要はないといえます。

 

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