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高血圧以外の脳出血の原因

高血圧以外の原因で引き起こされる脳出血を「非高血圧性脳出血」といいます。もともと脳の血管に異常があるケースも多く、若い患者さんに多くみられます。

 

高血圧以外の原因による脳出血は、約2割と少ないですが、部位別に見ると、高い割合を示しているものもあります。

 

脳血管の異常

 

脳の血管の形状に問題があるために、脳出血を引き起こしやすくなります。このような異常は、検査を受けて偶然に発見されることがほとんどです。また、マヒなどの症状を起こして調べてみた結果、見つかるケースもあります。

 

血管腫

 

血管腫は、血管に起こる奇形の総称であり、非常に多くの種類が存在します。観察して大きくならなければ、治療の必要はありませんが、大きくなったり、出血をしている場合には、外科手術で摘出していきます。→慢性硬膜下血腫の原因、症状、治療法

 

動静脈奇形

 

通常、動脈と静脈は、毛細血管を介してつながっています。しかし、動静脈奇形では、動脈と静脈が異常吻合して、血管のかたまりをつくっています。

 

若い患者さんのくも膜下出血の原因にもなっています。治療には、手術でかたまりを取り除いていくか、放射線療法をおこなっていきます。→脳動静脈奇形の症状、手術療法

 

もやもや病

 

もやもや病は、正式には「ウィリス動脈輪閉塞症」と呼びます。動脈の一部が閉塞し、脳底部に無数の血管網がみられる障害です。血管造影の画像で、血管網が煙のようにもやもやして見えることから命名されました。

 

若い世代の人が出血を起こすことが多く、外科手術で対応していきます。子どものもやもや病の場合、ピークは5歳で、多くが脳梗塞の原因となります。→もやもや病の症状、診断基準、治療

 

抗凝固薬の作用の影響

 

脳梗塞の治療後には、血液が固まるのを防ぐために「ワルファリンカリウム」という抗凝固薬を使います。しかし、その作用が強すぎると、脳出血をまねく恐れがあることが分かっています。

 

対処法は、薬の使用を中止して、他の治療を検討していきます。薬の量なども調整していきます。

 

他の病気に伴い発症

 

他の臓器から転移した腫瘍は、出血が起こりやすいことが分かっています。また、腎機能が低下して腎不全を患っている場合も、脳出血のリスクが高いといわれています。脳梗塞のあとに脳出血が起こるというケースもあります。

 

対処法には、外科手術で血腫を取り除いたり、内科治療で腎機能を回復させるなどの処置をおこなっていきます。

 

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