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脳出血にみられる後遺症

多くみられる3つの後遺症

 

脳出血では、さまざまな後遺症が生じてきます。脳卒中の発作を起こした後に、多くみられる後遺症は以下の3つになります。

 

 

うつ状態

 

もっとも多い心の後遺症がうつ状態です。脳出血の患者さんのうちの約60%の人に、なんらかのうつ症状がみられるというデータもあります。原因は、発作のショックによる混乱と、脳の働きの低下によるものと考えられています。

 

うつ状態が続くと、身体能力が低下したり、認識能力に障害が起こる可能性があります。意欲が低下するので、リハビリテーションにも影響が出てきます。

 

うつ状態は、薬物療法と、患者さんの心のショックを和らげる周囲の人の対応によって改善できます。

 

痙攣(けいれん)

 

けいれんは発作の直後に起こることがある症状で、皮質下出血で多く確認されています。

 

また、発作後約2週間たってから継続して起こるようになった場合には、けいれんが後遺症として残り続けることもありえます。けいれんを防ぐには、抗てんかん薬を使って治療していきます。

 

麻痺(マヒ)

 

マヒは、出血が起こったほうの脳とは反対側の半身に起こります。また、出血した部位やその程度によって、マヒの重症度も異なってきます。マヒはリハビリで機能を回復させて対処していきます。

 

うつ状態をすばやく見つけるには

 

うつ状態は、程度の差はありますが、ほとんどの患者さんでみられるようになります。周囲の人は、患者さんのうつ状態を敏感に察知して、適切にケアしていかなければなりません。

 

なんとなく気力がなかったり、周囲の出来事への反応が極端に鈍い場合には、うつ状態であると考えたほうがよろしいでしょう。

 

うつ状態への対処

 

不快な症状を改善する

 

痛みや不快感があると、気持ちにも影響して落ち込みやすくなります。患者さんが訴えているときには、適切に対処して快適に過ごせるようにしていきましょう。

 

目に見える刺激を増やす

 

マヒがあると、自分でなかなか姿勢を変えることができないために、目から入る景色が単調になりがちです。窓際にベッドを移動させたり、側に花を置くなどして、目から入る情報を新鮮なものにしてあげましょう。

 

患者さんの話に耳を傾ける

 

周囲の人は、患者さんの話や希望などをしっかり聞いてあげるように努めましょう。話を聞いてあげることで、ずいぶんと心が楽になることがあります。

 

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