医療費の合計が1年間10万円を超えたら控除を受けよう

普段はほとんどかからない医療費ですが、いったん大きなケガや病気にかかると、思った以上に家計に負担となるのが医療費です。しかし、年間の医療費が10万円以上かかった家庭は、確定申告の際に「医療費控除」を申告することができます。

対象期間は、その年の1月1日から12月31日までの1年間です。生計が同じ家族全員の1年間にかかった医療費が合算で10万円を超えた場合、その翌年の3月中旬までに税務署に確定申告します。

生計が同じと言っても、必ずしも同居している必要はなく、別居していたとしても合算の対象になります。一方、同居している親族でも、別に収入があって生計を独自に立てていれば、生計を共にしているとはいえないので合算はできません。

なお、所得税の税率に応じて還付金が変わってくるので、家庭のなかでいちばん収入が多い人が申告すると、税率が高くなって還付金も多くなります。所得税をたくさん払っている人はそれだけ還付金が多くなり、少ない人は還付金も少なくなります。

医療費控除の計算式

1. 1年間の医療費の合計が20万円
2. 保険会社から補填される金額5万円
3. 総所得金額300万円

の場合

上の計算式にあてはめると、20万円　−　5万円　−10万円　＝　5万円となり、医療費控除として5万円が控除されます。この金額に自分の所得税率をかけると還付金額を算出できます。

医療費控除の対象になるもの、ならないもの

医療費控除の対象となるものは、病院や歯科医院での診療費、入院費、処方による薬代などで、その病状などに応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額とされています。

また、「治療」では医療費控除の対象になりますが、「予防」になると対象となりません。人間ドックの費用の場合、異常所見が見つかれば治療になりますが、見つからなければ予防になるので対象外となります。

医療費控除の対象となっているものについては、後から証明するために支払いの領収書をしっかりと残しておきましょう。公共交通機関など領収書の発行が難しいものについては、利用した日付や金額などをメモしておくことがたいせつです。

その他、わからないことがあれば国税庁ホームページ（医療費控除）を参照ください。

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高額療養費制度には、「世帯合算」や「多数該当」というしくみが用意されています。うまく利用することで、医療費の差額が支給されたり、自己負担限度額が下がって給付額が増えます。

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かかりつけ医の紹介状をもらうと「選定療養費」がかからない！

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どこに行くときも健康保険証は常に携行しておくようにしましょう。もし保険証なしで病院を受診したら、3割負担が10割負担となってしまいます。

医療費をクレジットカード払いにしたほうがいい理由

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病院の領収書や調剤薬局のレシートを保管しておく

医療費控除の申告には領収書やレシートなどが必要になります。ゴミだからといって捨ててしまうと、損をしてしまうので注意しましょう。保管する場所をしっかり決めておくとよいでしょう。

差額ベッド代の費用を抑えよう

入院したときに個室を利用すれば差額ベッド代が発生します。相部屋よりプライバシーが保たれていて、個人用の収納設備もあるので、療養には適しています。ただし、自分には必要が無いと思えば、費用を節約するためにも、あえて利用しなくてよいでしょう。

病院に行かなければ医療費もかからない！

微熱や軽い風邪でも、日本人は病院に足を運ぶ傾向があります。症状が重ければ受診は仕方ありませんが、毎回風邪のたびに病院にかかるのは、医療費のムダになります。自宅でゆっくり休むことで治ります。

安易な救急車の利用は控えよう

救急車は本当に必要な患者が利用しなければなりません。病院までのタクシー代わりに気軽に利用したりするのはやめましょう。患者本人にとっても医療費と時間のムダです。

ムダな保険料はカット！医療保険の見直しをしよう

病気やケガなどに備えての医療保険ですが、毎月の保険料が高額になっている方も多いのではないでしょうか。加入している医療保険や特約などを見直して節約しましょう。

人工透析、血友病、HIVの治療は月1万〜2万円ですむ

高額な医療費がかかる場合には高額療養費制度がありますが、それでも病気によっては莫大な医療費がかかります。国が指定している特定疾病（高額長期疾病）に該当すれば、自己負担額が月1万円程度になります。