安易な救急車の利用は控えよう

救急車は本当に必要な人が利用しなければならない

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総務省消防庁による救急車の出動状況によると、救急車出動件数はここ数年増加傾向にあり、2014年の出動総数は過去最多の598万4921件で、5.3秒に1回のペースで出動している計算になります。搬送理由は、急病やけが、交通事故が多いという結果です。

 

しかし、搬送理由をよく見てみると、不要不急にもかかわらず、救急車を呼んだケースも非常に多いことがわかりました。全て重症患者ではなく、約半数が軽症患者、約40%が中等症でした。

 

なかには「病院に行く交通手段がないから」という理由で、タクシー代わりに救急車を呼ぶ人もいるようです。次のような全く不要なケースでも呼ばれています。

 

  • 蚊に刺されてかゆい
  • 紙で指先を切ってしまった
  • 海水浴に行って日焼けした足がヒリヒリする
  • ヘルパーを呼んだが来てくれなかったので、代わりに救急車を呼んだ

 

このような人のために本当に救急車を必要とする人が搬送できないと、救急車の経費がムダになります。軽症者の利用が重症者を死に至らしめていることを忘れてはいけません。

 

例えば、重症の心疾患の場合、対応が1分遅れると救命率は8%から10%低くなるといわれます。軽症者の利用で救急車の到着が遅れてしまえば、重大な問題となります。

 

このような事態を受けて、消防本部でも救急車の適正利用を求める広報活動を行っています。悪質な利用者には指導や厳重注意を行っていますが、あまり成果は上がっていないようです。

 

このため、いっそ救急車を有料化するべきとの声も上がっていますが、救急隊員からは待ったの声もあります。「金払ってるんだから早く行け!」など、有料化を逆手に取って何を言い出すかわからないことを懸念しています。

 

どういうときに救急車を呼べばいいのか

安易に救急車で病院に行くことは、患者本人にとっても医療費と時間のムダになります。緊急の事態でなければ、診療時間まで待って受診するほうが合理的です。

 

救急車を呼ぶ呼ばないの基準はありませんが、「いつもと症状が違うからこれは救急車が必要」と感じたら119番するとよいでしょう。入院が必要かどうかは自分で判断できないので関係ありません。

 

救急車が現場に行くまでの時間は、全国平均6分強です。実際はそこからエレベーターや階段を上っていくわけですから、もう少し時間がかかります。そこから観察、処置、病院選定等をするので、救急車が現場を出発まで20分ほどかかります。

 

もし自力で電話ができ、運転できるのであれば、20分待つよりも自分で病院に行ったほうが早い場合があります。

 

 
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