在宅透析/血液透析と腹膜透析について

拡大する在宅透析

在宅血液透析について

 

日本でもっとも古い在宅血液透析は、1961年に北海道で、家庭用洗濯機を改造した透析液タンクと手作りのダイアライザーを用いた治療がはじめといわれています。

 

在宅血液透析ならば通院する必要がなく、自分の予定に合わせて透析が可能となります。4,5時間もの長い間、病院に縛られることがなくなります。

 

ただし、病院のように監視装置が付いているわけではなく、医療従事者が治療中にいないため、何かトラブルが起こった際の不安が残ります。

 

また、透析に対する知識や訓練も必要となるため、スムーズに行えない場合も出てきます。

 

在宅腹膜透析について

 

腹膜透析は大掛かりな機器が必要なく、血液透析ほど医療費がかからないため、欧米では移植前の治療としてよく普及しています。

 

腹膜透析は、病院でへその下に局部麻酔により穴をあけて、腹膜カテーテルをおなかの中に挿入します。そして、約2リットル入った透析液のバッグとカテーテルをつないで透析液を注入していき、時間をかけて腹膜から老廃物や水分を濾過させていきます。

 

最近ではCAPD(持続外来腹膜透析)という方法も開発されています。これは患者自身が透析液を取り換えて、毎日透析が行えるというものです。

 

取り扱いが簡単で、透析バッグを持参すればどこでも透析をすることができます。通院しなくてもよいので、会社で仕事をしながら透析を行うこともできます。

 

ただし、腹膜に感染症を起こしやすいという短所があり、腹膜炎をくり返すおそれがあります。また、透析液の衛生管理には十分に気をつけなければなりません。

 

CAPDは日本では減少傾向にあり、全透析患者の4%以下ほどしか行われていません。

 

 
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在宅透析のメリット・デメリット関連エントリー

人工透析の現状と目的
現在、腎不全で透析治療を受けている人は、全国に28万人以上います。人工透析の方法は、血液透析と腹膜透析の2つがあります。
日本では血液透析が生涯治療
血液透析の方法について、その原理を解説しています。透析治療のなかでも、血液透析を受けている人は圧倒的に多くなっています。
ブラッドアクセスの合併症
血液透析によるブラッドアクセスの合併症には、全身性のものと局所性のものに分けられます。とくに、感染症の予防対策が必要となります。
身体への負担が少ないCAPD(腹膜透析)
CAPDとは腹膜透析のことです。透析液の交換の回数がかかりますが、血液透析よりも身体への負担が少ないというメリットがあります。通院も月に1回程度ですみます。
CAPDの特性と実施可能な体制
CAPD療法の優れた点と、CAPDを実施するために必要な設備や体制について紹介しています。患者自身が自ら透析を行うため、管理体制が重要となります。
CAPD治療の患者適応のめやす
CAPD治療の成果を上げるためには、患者の状態や家族の同意、心理面などのさまざまな事項を評価して決定していかなければなりません。CAPDを行ってはならない症例についても紹介。
CAPDの合併症
CAPDに関連する合併症には、腹膜炎、出口部感染、皮下トンネル感染、カテーテル機能不全などがあります。対処法を紹介しています。
透析液の組成に関連した合併症
透析液の性状や組成に関連した副作用、合併症を紹介しています。透析療法の遂行のためには、合併症の予防が課題となっています。
人工透析の合併症・感染症
透析患者は、人工透析の合併症や感染症についての知識を持つことも必要です。心不全、脳血管障害、骨の異常にはとくに注意です。
透析導入後の水分コントロールについて
腎不全で透析に入ると、自分で水分管理をしていく必要があります。病気になる以前はほとんど気にしていなくても、透析導入後は水分コントロールが不可欠です。
透析者向けの塩分コントロール法
食事の塩分コントロールについて紹介しています。透析をはじめたばかりの人向けに、比較的実践しやすい内容を載せています。
透析者がおさえておきたい8つの数値項目
透析者は病院から検査データをもらいますが、項目が多すぎて何を見たらよいのかわからないと思います。ここではとくに重要な8つの数値項目を紹介しています。長生きするための指標にしましょう。
長生きの透析者ほどよく食べ、よく運動している
透析歴が長い人は、病気にかかっていない人よりも食事の管理がきちんとできている人が多く、運動量も多い傾向があります。自分の健康と向き合うチャンスと前向きに捉えています。
終末期の人工透析 見送りや中止が広がる
腎不全になった患者さんに対して行われる人工透析ですが、高齢者に対しては体に大きな負担もかかるため、透析の実施に迷うケースもあります。終末期の人工透析も、中止や見送りが増えているという結果が出ています。