CAPDの特性について
これまで慢性腎不全患者の血液浄化法として用いられてきたCAPDですが、現在では在宅透析の手段として確立されるようになりました。
CAPDが優れた透析法であるのは、以下のような特性があるためです。
- 透析を行いながら活動を行うことができる。
- 透析後に不快な症状が出にくい。
- 水、ナトリウム、カリウム、リン、血圧の管理がしやすい。
- 高齢者に適している。
- 小児腎不全の患者にも適している。
- 透析を受けるための時間的拘束が少ない。
- 在宅透析として介助者が不要である。
- 経済的な負担が少ない。
- 必要な設備が少なくて済む。
- 心理的にも良い。 など
清潔に管理しなければならない、などの注意すべき点もありますが、それでもCAPDは慢性腎不全の治療に大きく役立っています。
CAPDが実施可能な施設基準
家庭内や職場でCAPDを行うためには、医師やナースの技術指導を入念に受けておく必要があります。衛生管理の仕方が悪いと、腹膜炎などを発症するおそれがあるためです。
CAPDの実施に関しては、以下で必要な設備とスタッフの役割を紹介しています。スタッフは1週間に1度は情報交換の場を設ける必要があります。
設備について
- 腹部外科手術を常時行うことが可能である。
- 心電図やX線検査ができる状態である。
- トレーニングルームの設置。
- 接続チューブの交換室がある。
- 血液検査の設備。
- 腹膜炎に対処できる体制。
- 24時間のオンコール体制。 など
スタッフについて
腎臓専門医の役割
- 腎不全、CAPD全般についての説明、患者の選択。
- カテーテル留意と管理。
- CAPD治療の効果測定。
- CAPDによる合併症の診断、治療
CAPD専任看護師の役割
- 教育プログラムの作成。
- スタッフ教育。
- 患者教育とフォローアップ。
栄養士の役割
- CAPD患者の栄養指導。
- 血液透析からCAPDに変更されたときの栄養指導。
ソーシャルワーカーの役割
- 家庭・職場環境へのアドバイス
- 精神的な問題へのアドバイス
- 職場の上司や同僚との連絡。
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