どのような場合にCAPDが勧められるか
CAPDによる治療効果を最大限に上げるためには、適切な患者選択が重要となってきます。
そのためには、腎不全の原因とそれに伴う合併症、ほかに患者が抱えている身体の異常や心理面など、さまざまな事項から判断していかなければなりません。
いくらCAPDが優れているといっても、他に障害をかかえていたり、患者や家族の反対があるような場合はのぞましくありません。
以下に患者選択のめやすを紹介しています。
1.CAPDが最も適切な治療手段と思われる場合
- 患者の社会復帰への強い意志がある。
- 家族の同意を得られている。
- 腹膜透析が可能で、透析効率も高い。
- 食事や衛生などの自己管理能力が高い。
- 腎不全の合併症が少ない。
- 社会的環境の受け入れ体制が整っている。 など
2.血液透析など他の治療法をおこなうことができない、次善策とする場合
- 血液透析では十分な透析効果が得られない場合。
- 血液透析では自己管理できない場合。
- ブラッドアクセスが長期間使用できない場合。
- 心血管系の障害が強い場合。
- 糖尿病腎症を患っている場合で、血液透析よりもCAPDのほうが血糖をコントロールしやすい場合。 など
3.CAPDを行ってはならない場合
以下の項目に該当する場合は、CAPDを行わないほうが良いとされます。
- 腹膜機能が十分でない場合。
- 横隔膜の欠損がある場合。
- 著しい換気障害がある場合。
- 患者の精神障害が激しい場合。
- 家族の反対がある場合。
- 腹膜ヘルニアがあり、透析液の貯留によりヘルニアが発症する場合。
- 透析液の貯留により強い腰痛を訴える場合。
- 腹壁が高度に肥満している場合。 など
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