痛風腎の原因、症状や治療法を解説

痛風の合併症

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痛風腎の説明をする前に、まず痛風について簡単に説明していきましょう。

 

痛風が起こる原因は、プリン体というたんぱく質が分解されるときにできる尿酸の代謝がうまく行われなくなって体内にたまることによるものです。

 

痛風の名前の由来は、名前の通りちょっとした風にあたっただけでも激痛をまねくというところからきています。

 

痛風にかかると、足の親指のつけ根の関節などが腫れてきますが、この痛みは信じられないほど強烈なものとなっています。患部をさわってみた体験のある方しかこの痛みは理解できないといわれています。

 

痛風を適切に治療せずに放置しておくと、発作が繰り返し起こるようになり、やがては手足の皮膚や耳たぶに、コブのような盛り上がりができます。これは「痛風結節」と呼ばれます。

 

さらに進行すると、増え続けた尿酸の影響で、手足の指の関節が変形して動かなくなってしまいます。

 

痛風腎の症状

 

尿酸の結晶は、心臓や腎臓などの臓器のほか、全身の組織にもできます。痛風の合併症には、脳血管障害、虚血性心疾患、腎障害、尿路結石、動脈硬化症、脂質異常症などさまざまあります。

 

痛風腎とは、痛風によって増えた尿酸の結晶が、腎実質にたまって腎機能を低下させるために起こる症状です。痛風腎にかかると結石ができやすくなり、それが尿管を刺激したり傷つけたりすると、腹部や背中が激しく痛んだり、場合によっては血尿も出ることがあります。

 

痛風腎の治療

 

痛風腎の治療では、結石を防ぐために、尿のpH(ペーハー、酸性値)を低くしないことが大切です。そのためには、水分を十分取って尿量を増やすことが重要です。

 

ただし、尿のpHを上昇させる(尿をアルカリ化)させることは、カルシウム結石をできやすくすることがあるため注意が必要になります。

 

痛風は食事療法に加えて、尿酸生成を阻害する薬や、尿酸の排泄を促進する薬などで治療することができる病気です。早期に治療をはじめることが大切です。

 

 
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