徐々に腎機能が低下していく病気
慢性腎不全とはどんな病気か
慢性腎不全は、数年から数十年にかけて徐々に腎臓がおかされて腎機能が低下していく病態です。
腎機能はいったん低下し始めるとどんどん低下してしまう傾向があり、末期腎不全をへて尿毒症に陥ります。尿毒症を放置しておくと、数日の間に死に至ります。
慢性腎不全の原因
慢性腎不全の原因となる病気にはさまざまなものがあります。特に、高齢社会により糖尿病腎症、腎硬化症が増えています。
- 糖尿病腎症
- 慢性腎炎
- 腎硬化症
- 多発性嚢胞腎
- 慢性腎盂腎炎
- 腎結核
- 間質性腎炎
- 前立腺肥大症
- 尿路形成異常 など
腎機能の低下でさまざまな症状があらわれる
慢性腎不全になり、腎機能が低下すると、さまざまな症状があらわれてきます。
まず、尿の量がコントロールできなくなるため、尿量が増えてトイレに行く回数が増えます。尿の色が薄くなって、たんぱく尿や血尿がみられるようになります。
病状が進行すると、貧血が起こるようになり、顔色が悪くなります。高血圧の影響で心臓が弱るため、動悸や息切れを起こすようになります。
さらに、顔や手足に浮腫(むくみ)が起こり、呼吸困難になる場合もあります。
慢性腎不全の治療
慢性腎不全になって腎機能が低下しはじめると、治療によって腎臓の機能を元に戻すことはできません。よって、残された腎機能を保持することが重要となります。
治療には、生活指導、運動療法、食事療法、薬物療法などが行われます。これらの治療を行っても、腎機能の低下を完全に食い止めることはできませんが、症状の進行を遅らせることは十分可能です。
血液中のクレアチニン濃度の上昇が大きい場合は、早めに透析治療を受けなければなりません。
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