腎臓病のなかで最も多い
慢性腎炎は、慢性糸球体腎炎ともいい、もっとも多い腎臓病として知られています。血尿・たんぱく尿が長期間(少なくても1年以上)持続するものをいいます。
かつては不治の病としても恐れられていましたが、最近の研究によって、いくつかのタイプがあり、症状が進行しにくいものもあることが分かりました。
原因
慢性腎炎の原因は、急性腎炎からの慢性化、免疫反応によるものが多いと考えられています。自覚症状がほとんどないために、原因については完全に分かっていません。
症状
主な症状は、血尿、たんぱく尿、高血圧です。このほかには、めまい、肩こり、むくみ、頭痛、倦怠感などがあります。
治療
むくみが強い場合は、利尿薬を使用し血液中の老廃物の排泄を促します。基本的には食事療法や薬物療法を行っていきます。生活の中では、激しい運動や過労は避けなければなりません。
また、血圧の維持に努め、症状を悪化させないようにしていきます。
【タイプ別慢性腎炎】
潜在型慢性腎炎 | 軽度のたんぱく尿、血尿がみられます。高血圧、腎機能の低下はありません。慢性腎炎のなかではもっとも軽く、治しやすいタイプになります。 |
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高血圧型慢性腎炎 | 中程度のたんぱく尿と血圧の上昇がみられます。進行すると腎不全になりやすく、食事療法で生活を管理する必要があります。 |
腎不全型慢性腎炎 | 腎臓の機能が半分以下に低下した状態を腎不全といいます。吐き気、頭痛、動悸、呼吸困難などの症状がみられます。危険なタイプなので、一刻も早く適切な治療が必要です。 |
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